ジヒドロテストステロンとは? AGAの原因になる理由について調べてみよう

頭を触る男性

男性AGA(男性型脱毛症)の大きな原因となるのが、ジヒドロテストステロン(DHT)です。しかし、ジヒドロテストステロンと言われただけでは、何のことだか分かりにくいですよね。このページを読み進めれば、ジヒドロテストステロンが何なのか分かりやすくなります。

また、ジヒドロテストステロンの分泌を抑制する方法もあわせて紹介していくため、AGAでお悩みの方は参考にしてください。

ジヒドロテストステロン(DHT)とは?

まずはAGAの原因となるジヒドロテストステロンとは何なのか、分かりやすく解説していきます。

背中の筋肉

男性ホルモンであるアンドロゲンの一種

ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンであるアンドロゲンの一種です。ジヒドロテストステロンは、身体に次の影響を及ぼします。

  • 頭部の毛母細胞の働きを抑制
  • 頭部以外の体毛を濃くする
  • 前立腺肥大
  • 精力の抑制
  • ニキビ
  • 男性胎児の正常な生殖器の形成など

AGAに直接関係するのが、一番上の「頭部の毛母細胞の働きの抑制」です。ジヒドロテストステロンのほかにも、次の男性ホルモンがあります。

  • テストステロン
  • デヒドロエピアンドロストロン
  • アンドロステロン
  • アンドロステンジオン
  • エピアンドロステロンなど

アンドロゲンは上記のような男性ホルモンの総称です。

テストステロンとの違いとは?

筋肉や骨格など男性らしさの形成に役立つのが、テストステロンです。一方、ジヒドロテストステロンは、男性胎児の正常な生殖器の形成に役立っています。

また、テストステロンとジヒドロテストステロンでは、生成される仕組みにも違いがあります。テストステロンはほとんどで精巣で生成されますが、そのテストステロンから生成されるのがジヒドロテストステロンです。

DHTが生成される仕組みとは|2型5αリダクターゼとテストステロン

ジヒドロテストステロンは、次のような仕組みで生成されます。

  1. テストステロンが分泌される
  2. テストステロンが2型5αリダクターゼと結びつく
  3. ジヒドロテストステロンが生成される

ジヒドロテストステロンの生成に大きく関わっているのが、2型5αリダクターゼという酵素です。

なぜAGAの原因になる? ジヒドロテストステロンの作用とは?

次からはジヒドロテストステロンの作用や、なぜAGAの原因になるのか分かりやすく解説していきます。

ひげと男性

場所によって違うジヒドロテストステロンの作用

次にジヒドロテストステロンが作用する主な場所をご覧ください。

  • 髭が生えている場所
  • 前頭部や頭頂部の頭皮など

場所によって作用が違うため、次に解説していきましょう。

髭|成長期を延長させる

毛根にある毛母細胞には、次のようなサイクルがあります。

  • 成長期(毛母細胞の働きが活発で、伸びていく期間)
  • 退行期(毛母細胞の働きが弱まり、抜ける準備をする期間)
  • 休止期(毛母細胞の働きがストップし、抜けていく期間)

ジヒドロテストステロンには、髭の成長期を延長させる作用があります。人によって異なりますが、ジヒドロテストステロンの増加で髭は濃くなるが、頭髪は薄くなる可能性があるのです。

前頭部や頭頂部などの頭皮|成長期を短縮させることで育毛を抑制

毛乳頭にある男性ホルモン受容体とジヒドロテストステロンが結びつくと、脱毛因子「TGF-β」が増えていきます。毛母細胞の働き低下により、成長期を短縮させる作用を持つのが「TGF-β」です。2型5αリダクターゼは、前頭部や頭頂部の毛乳頭や前立腺によく見られます。

そのため、AGAの症状は前頭部と頭頂部の頭髪に起きるのが大きな特徴です。

ジヒドロテストステロンを抑える方法はある?

AGAを予防するには、原因となるジヒドロテストステロンを抑えるのが一番です。どんな方法でジヒドロテストステロンを抑えられるのか、気になる方は次の解説をご覧ください。

運動

テストステロンが低下するとジヒドロテストステロンが増える?

テストステロンの分泌が年齢を重ねるごとに低下していくと、男性でも更年期障害を起こすことがあります。男性の更年期障害で見られる主な症状は次のとおりです。

  • 動悸やめまい
  • 頭痛
  • 発汗
  • うつ
  • 性欲低下
  • イライラ
  • 肥満
  • 関節痛や筋肉痛など

テストステロンの分泌低下は、2型5αリダクターゼとの結びつきが増える恐れがあります。かえってジヒドロテストステロンが増えかねないため、テストステロンを単純に減らせば良いという問題ではありません。

ジヒドロテストステロン増加を防ぐためにできること

健康的にジヒドロテストステロンを減らしてAGAを予防したいという方は、次の解説をご覧ください。

生活習慣の改善|食べ物に気をつける・筋トレなどの軽い運動

テストステロンのバランスを保ち、抜け毛や薄毛を予防したいときに役立つのが次のような生活習慣の改善です。

  • 栄養バランスのとれた食生活
  • 筋トレなどの運動

牡蠣やレバーなどに多く含まれる亜鉛、大豆食品などに多く含まれるイソフラボンには、5αリダクターゼを抑える作用があると考えられています。食べ物で取り入れるのが難しい方は、亜鉛やイソフラボン配合のサプリで補給する方法が便利です。

ハードな運動で疲労しすぎると、テストステロン低下による体力回復が遅れかねません。そのため、筋トレなどの運動を行うときは、適度にとどめることをおすすめします。

筋トレはどのくらいのペースで行えば良いのでしょうか。人によって異なりますが、次のようなペースで筋トレを行うと良いでしょう。

  • 筋トレ後の筋肉痛がある場合は痛みがなくなった頃
  • 筋トレを1か月以上行っている場合は3日に1回

腕立て伏せや腹筋、スクワットなどの筋トレは毎日行う必要はありませんが、自分にあった負荷で行ってください。また、汗ばむ程度のジョギングやウォーキングなどの運動も一緒に行うと効率的です。

睡眠不足も大敵! 夜はしっかり眠ろう

過度なストレスがかかり続けると、血行不良になりやすいです。血行不良が続くと、毛母細胞の働きが弱まる恐れがあります。このストレスは睡眠不足で溜まりやすいため、日頃から育毛したい方は睡眠時間に注意しましょう。

適切と言われる睡眠時間には、これといった基準がありません。その人の年齢や体調など、いくつかの要因で適切な睡眠時間が異なります。そのため、個人の感覚で日中に眠気を感じない程度の睡眠時間を目安にすると良いでしょう。

また、カフェインが含まれている飲み物(お茶やコーヒーなど)を飲むと、その覚せい作用で目が冴えてしまいます。就寝前には避けたほうが良いでしょう。

医療機関・クリニックで検査や治療を受ける|フィナステリドの効果と副作用

医療機関・クリニックによってはAGA治療が受けられます。いくつかあるAGA治療のうち、最もポピュラーなのがフィナステリドの服用です。フィナステリドという成分には、2型5αリダクターゼを抑制する効果があります。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにて、推奨度A(行うよう強く勧める)という高い評価を受けています。

ただし、次の副作用が見られる点には注意してください。

  • 蕁麻疹や発疹
  • 性欲低下
  • 勃起不全
  • 射精障害
  • 精液量減少
  • 乳房肥大
  • めまいなど

フィナステリドの服用は、1日1回0.2mgが通常です。(1日の上限は1mg)個人差がありますが、3か月から半年ほどでフィナステリドの効果が出てきます。半年過ぎても効果が出ない場合は、医師に相談してほかのAGA治療を受けてください。

妊娠中の女性は割れたフィナステリドの錠剤を触らないほうが良いです。指から成分が吸収され、男性胎児の生殖器の発育に異常が出る恐れがあります。

また、肝臓の働きが弱い方がフィナステリドを服用すると、肝機能障害といった疾患が出る恐れがあります。副作用が気になる方は、AGAクリニックなどで血液検査を受けると良いでしょう。

汗をかくとジヒドロテストステロンが排出されるって本当?

汗をかくとジヒドロテストステロンも一緒に排出されるのでしょうか。たしかに排出は期待できますが少量のため、AGA予防につながるかどうかは微妙です。ただし、適度な運動で汗をかくことは健康増進につながりやすいです。

また、男性ホルモンの分泌が増えると頭部の皮脂分泌も増えることがあります。直接AGAとは関係ありませんが、過剰な皮脂分泌は頭皮環境が悪化しやすいです。そのため、汗かきで頭皮が脂っぽい方は抜け毛に注意したほうが良いでしょう。

ジヒドロテストステロンを理解してAGA治療に取り掛かろう!

白衣の男性

AGAを予防するには、原因となるジヒドロテストステロンを抑えるのが一番です。日頃の生活習慣や運動、睡眠時間に気を付け、抜け毛がいつもより増えていないかチェックしてください。

それでも前頭部や頭頂部から抜け毛が増えてきた場合は、2型5αリダクターゼを抑える効果を持つフィナステリドの処方を受けるという対策もあります。

一度AGAを発症すると少しずつ薄くなりますので、このままだとハゲてしまうと心配になるでしょう。そんな方はジヒドロテストステロン作用を理解してから、AGA治療をできることから始めてください。

参考:
男性ホルモンの脂腺細胞に及ぼす影響について(日本皮膚科学会)
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
(日本皮膚科学会ガイドライン)

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