「初めての出産後、抜け毛がひどくて困っている。ママ友から噂を聞いていたけど、ここまでひどいなんて……」
「もうすぐ2人目の出産だけど、初産のときひどい抜け毛で悩まされたの。また同じようなことになったらどうしよう!」
そんなお悩みを抱えているママさんはいませんか?古今東西、出産前後の女性にとって抜け毛は悩みの種。簡単に実践できる「産後の抜け毛対策」があれば、とても便利ですよね。
そこで今回は、出産後の抜け毛をテーマに、「抜け毛が増える原因」と「抜け毛におすすめのケア方法・育毛対策」をご紹介していきます。
注目していただきたいのが、後半の「ケア方法・育毛対策」。
どれも簡単な方法ですので、抜け毛の悩みを抱えているママさんは、ぜひ参考にしてみてください。
どうして出産後は抜け毛が増えるの? 女性ホルモンの変化について解説
産後の抜け毛には、医学的・生理的な原因があります。後半の抜け毛対策に進む前に、まずは出産後に抜け毛が増えてしまうメカニズムを正しく理解しましょう。
抜け毛が増えてしまう原因|分娩後脱毛症
分娩後脱毛症は、産後脱毛とも呼ばれる女性特有の症状です。
分娩後脱毛症は経産婦の多くが経験しているため、「出産すると毛が大量に抜ける!」というイメージを持っている方も多いのでは?
分娩後脱毛症が起きてしまう最大の原因は「女性ホルモンのバランスの変化」です。女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
女性ホルモンには、胎盤や乳房の発達を促す、受精卵が着床しやすいように子宮内膜の形成を助けるなどの働きがありますが、実は「ヘアサイクルの成長期を延ばす働き」もあると言われています。
つまり妊娠中は、髪の毛が抜けにくくなるのです。
ところが、出産が終わると、女性ホルモンの分泌量が一気に減少します。妊娠中は、女性ホルモンのおかげでヘアサイクルの成長期がキープされていたのが、ハイスピードで退行期、休止期へと移行してしまうため、大量の抜け毛が発生してしまうのです。
抜け毛はいつ頃まで続くの?
出産後の抜け毛は、産後2〜3か月後から始まり、半年でピークを迎えます。その後1年ほど経過し、授乳を終える頃になると、抜け毛はほぼ無くなります。
出産前の状態まで髪が元通りになるかどうかは個人差があります。「母乳育児をしていた場合、髪が戻るまでに時間がかかる」と説明されることがありますが、これもまた個人差があるので一概には言えません。
抜け毛がない人・ならない人もいるの?
髪の色や量が人それぞれであることからも分かるように、出産後の抜け毛も個人差があります。非常に激しく脱毛する人もいれば、まったく抜けない人もいます。
傾向としては、元々髪が細くて猫っ毛の人だと抜けやすく、髪が太く毛量も多い方の場合は抜けにくいということが言えるかもしれません。
しかしそれもあくまで可能性の話です。「一人目の時はすごく抜けたが二人目の時は全然抜けなかった」という経験談もよく聞きます。
結局、産後どの程度髪が抜けるかは、「出産してみないと分からない」というのが結論です。
産後ママの抜け毛におすすめのケア方法・育毛対策を紹介
ここからは、産後の抜け毛対策としておすすめしたいケア方法をご紹介します。
食生活や睡眠、髪に負担の少ないシャンプーなど、どれも簡単に実践できるものばかりですので、ぜひ普段の生活でも取り入れてみてください。
食生活|栄養のある食べ物をとろう
髪を構成する成分の約80%はタンパク質(ケラチン)です。人間の身体の組織は食事でできていますから、すこやかな髪を育てるためにも、普段の食事で良質なタンパク質を摂るように心がけましょう。
ここで言う「良質なタンパク質」とは、必須アミノ酸がバランスよく摂取できる(=アミノ酸スコアが高い)タンパク質のこと。
肉や魚、卵、大豆製品など、私たちが日常的に食べ慣れている食品であればOKです。動物性か植物性かを気にする必要はありません。
「タンパク質をたくさん摂らなきゃ!」と頑張るあまり、毎日大量のプロテインを飲む必要はありません。日々に食事で必要なタンパク質量は摂取できるからです。
日本人の成人女性の場合、1日に必要なタンパク質の推奨摂取量は「50g」です。タンパク質を手軽に摂取できる食品としては、次のようなものがあります。
〈100gあたりのタンパク質量〉
- 納豆・・・16.6g(1パックで50g)
- 全卵・・・12.3g(Mサイズ1個で60g)
- 鮭・・・22.8g(1切れで80〜150g)
- 鶏ささみ・・・23.9g
- 豚ヒレ・・・22.2g
- 牛もも・・・19.3g
たとえば、納豆1パック(タンパク質8.8g)、全卵Mサイズ1個(タンパク質7.3g)、豚ヒレ1枚(重量200g、タンパク質44.4g)を食べれば、推奨摂取量をカバーできます。
また、「髪には海藻が効く!」といった俗説にも注意が必要です。
この俗説が生まれた背景には、「甲状腺ホルモンは髪の細胞の新陳代謝を促す→甲状腺ホルモンの主原料であるヨウ素(ヨード)をたくさん摂取すべき→ヨウ素を豊富に含む海藻がオススメ!」という考え方があります。
しかし、甲状腺機能低下症などの病気でもないかぎり、人間にとって必要なヨウ素の量はきわめて微量です。しかも肉や魚、穀類など、ほとんどの食品にはヨウ素が含まれているので、あえて海藻だけをたくさん食べる必要はありません。
ヨウ素よりは、ケラチンの合成に欠かせない亜鉛、毛細血管を丈夫にして毛母細胞周辺の血液の流れを増やすビタミンB2、頭皮の炎症を抑えるビタミンC、毛細血管を拡張して毛母細胞への血流を改善するビタミンEなど、抜け毛を改善するために大切な栄養を積極的に摂るのがおすすめです。
これらの基本的な栄養をきちんと補えるよう、日々の食事に気を遣うことが大切です。
睡眠|家族の協力も必要
毛母細胞に必要な栄養を届けるには血流をスムーズにすることが大切です。そこで欠かせないのが「良質な睡眠」です。
寝不足や不規則な睡眠が続くと、自律神経が乱れ、頭皮の血流が悪化します。良質な睡眠は、抜け毛を改善するためにもおろそかにできないポイントなのです。
とはいえ、毎日質の良い睡眠を得るには、それに適した環境が必要です。寝室の温度や湿度、明るさなどは自分で調整できますが、家族の生活音はそうもいきません。
旦那さんが仕事で遅い時間に帰宅する場合は、「夜10時過ぎには寝るから、帰宅したときに物音を立てないでね」などとあらかじめ協力を依頼しておくとよいでしょう。また小さいお子さんがいるご家庭の場合は、お子さんがぐっすり眠れるよう次のような工夫を心がけることで、お母さんの睡眠時間を長めに確保することが可能です。
- 日中にたくさん遊ばせるなどして適度に疲労させる(過度に疲れさせると興奮して寝付けなくなるので注意!)
- 温度や湿度、明るさなど寝室の睡眠環境を整える
ヘアケア|頭皮や髪の毛をいたわるシャンプーを使おう
産後ママの抜け毛ケアには「ヘアケア」に適したシャンプーを使うことも大切です。
頭皮や髪の毛をいたわる成分を配合しているシャンプーや、過度に化学的な成分が配合されていない商品を選ぶと良いでしょう。
以下では、頭皮や髪に優しくヘアケアに適したおすすめの市販シャンプーをご紹介します。
COTA(コタ)|アイケアシャンプー
COTAのアイケアシャンプーは「色あせない美しさ、時間を超える上質」をコンセプトに開発されました。
環境やストレス、加齢といった悪条件にも負けない髪の美しさをキープするために、「癒す」「洗う」「補う」「育む」の4つのテーマから厳選した成分を配合しています。
各テーマの特徴は次の通りです。
〈癒す〉
ラベンダーやネロリ、ジャスミンなど、天然ハーブや花から抽出したエッセンスを使った香りで、ストレスに悩む女性の心を満たしてくれます。
〈洗う〉
髪や頭皮の成分組成に近い洗浄剤を使うことで、髪と頭皮をマイルドに洗いつつ、髪のダメージも適度に補修してくれます。
〈補う〉
髪の内部を補修するオリジナル成分「ケラミドール」、外部を補修する「ダメージセンサー」「アクアヴェール」を配合。髪本来の機能をサポートしてくれます。
〈育む〉
紫外線によるダメージを軽減するシアバター、頭皮のダメージの進行を遅くするαリポ酸など、健康な頭皮をキープするための成分が配合されています。
アイケアシャンプーのラインアップは5種類あります。
それぞれ香りが異なるほか、「乾燥しがち」「硬い」「広がりやすい」といった髪の悩みにフィットした成分でデザインされているので、自分の髪質に合ったものを選ぶと良いでしょう。
haru(ハル)|kurokamiスカルプ
haruのシャンプー「kurokamiスカルプ」は、100%天然由来の美容成分をたっぷり配合。
シャンプーだけで、頭皮のケア、髪のボリュームアップ、フケ・かゆみ・ニオイのケア、紫外線ダメージの補修など、幅広い機能をカバーしています。
抜け毛対策から見たkurokamiスカルプの特徴は次の3つです。
〈もこもこの泡で頭皮を整え、たっぷり保湿〉
ソープナッツエキスとも呼ばれる「サピンヅストリホリアツス果実エキス」を配合。もこもこの泡による古い角質の除去と、髪の素となるアミノ酸の供給を同時に行ってくれるので、シャンプー後のリンスが不要です。
〈ハリ・コシのある、美しい髪の毛へ〉
洗い流したあとも美髪をキープするため、美容成分をたっぷりブレンド。最近の注目成分であるキャピキシルなどこだわり成分が、髪の根元からゆっくりとケアしていきます。
〈ダメージから守り、なめらかな指通りに〉
グアバエキスなど紫外線によるダメージをケアする成分を配合。サラサラとしたなめらかな指通りの髪に仕上げます。
johnmasters(ジョンマスター)|SHAMPOO
「完璧なまでに自然な美しさ」を基本理念とするジョンマスターのシャンプーは、オーガニックでナチュラルなラインアップが豊富にそろっており、日本でも人気の高いブランドです。すべての製品で「農薬・化学肥料を使用しないオーガニック成分を70%以上配合」というルールを厳守するジョンマスター。
ラウリル硫酸ナトリウムやパラベン、合成香料、合成着色料といった頭皮や髪に負担のかかる成分も使用していないため、敏感肌の持ち主には特にファンが多い商品です。現在、公式オンラインショップで購入できるシャンプーのラインアップは次の6種類です。
- イブニングPシャンプーN(プリムローズ)
- L&RシャンプーN(ラベンダー&ローズマリー)
- H&HリペアシャンプーN(ハニー&ハイビスカス)
- S&MスキャルプシャンプーN(スペアミント&メドウスイート)
- R&PシャンプーN(ローズマリー)
- Z&SコンディショニングシャンプーN(ジン&セージ)
それぞれ配合成分・香り・機能が異なるため、自分の髪質や頭皮の状態に合わせた商品を選ぶことが大切です。
ヘアスタイル|前髪を多めに作ってスカスカ・つんつんをカバー
産後の抜け毛で毛量が減ると、薄毛のせいで透け感が強くなり、人目が気になって外出が億劫になるという人も多いのでは?また抜け毛が増えると、新しく生えるつんつんした「アホ毛」の処理にも苦労しますよね。
そこでおすすめなのが、前髪を多めに作って、スカスカ・つんつんをカバーするヘアスタイル、いわゆる「フルバング」です。
ボリュームを持たせた前髪を顔まわりに沿うようにカットして、きれいなアーチ状のフォルムに。
こうすることで、前髪まわりのスカスカした状態やつんつんしたアホ毛も、あまり気にならなくなりますよ。
抜け毛がストレスで辛い時は病院へ行く|専門家に相談してみよう
「産後いつまでたっても抜け毛が収まらない」
「抜け毛の量がとても多く、ストレスがたまって仕方がない」
そんなときは、我慢せずに病院へ行きましょう。
受診する診療科は、症状がおだやかな場合は産婦人科でも構いませんが、円形脱毛症などを伴うような場合は皮膚科を受診してください。公式HPの中で、産後脱毛の治療をうたっている病院であればなおベターです。
ここまで説明してきたように、自宅でも抜け毛対策はある程度可能です。
しかし、抜け毛にはれっきとした医学的な原因があります。あまりにも症状がひどい場合は医師の診察を受けましょう。
産後の抜け毛は一時的なもの|取り入れられるものから対策を始めてみよう
産後の抜け毛はあくまでも一時的なもの。心配しすぎると、それがかえってストレスになり、さらなる抜け毛の原因になる場合もあります。
抜け毛対策は「継続」が肝心です。今回ご紹介した対策のうち、毎日継続できそうなものから少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか?