AGAに悩んでいる人は非常に多く、近年では専門のクリニックが街中にも続々と増えています。そして、AGAの治療薬として用いられているのが「フィンペシア」と「ミノキシジル」です。
どちらもAGAの改善に効果がある薬ですが、作用や効果は異なります。そこで今回は、フィンペシアとミノキシジルのAGAに対する効果の違いや副作用、さらに併用することによるメリットなどを紹介していきます。
フィンペシアとミノキシジルの違いとは?
フィンペシアとミノキシジルは、どちらもAGAの改善に効果があります。しかし、日本国内では扱いが違ったり、成分も異なったりするため、理解しておくことが大切です。ここからは、フィンペシアとミノキシジルの違いについて解説していきます。
1. 国内での扱いの違いとは
フィンペシアとミノキシジルの、日本国内における扱いは異なります。まずはどのように扱いが違うかを説明していきましょう。
フィンペシアはプロペシアのジェネリック医薬品|国内未承認薬
フィンペシアは、AGA治療薬であるプロペシアのジェネリック医薬品です。インドのムンバイに本拠をおくシプラ社が製造しており、日本では厚生労働省が承認していない「未承認薬」に該当します。
そのため、日本国内では製造はおろか販売もされておらず、購入するには通販か、海外から個人輸入をするという方法をとらなければいけません。ジェネリック医薬品なのでプロペシアよりも価格は安く、徐々に注目が集まっています。
ミノキシジルは先発医薬品|外用薬は国内承認済み
ミノキシジルとは成分の名前で、Johnson&Johnson社が開発した先発医薬品です。1988年にアメリカで臨床試験が行われ、そこで有用性が確認されてからミノキシジルを配合した発毛剤が誕生しています。
これまでにミノキシジルを使っている発毛剤は世界90ヶ国以上で承認されており、外用薬は日本国内でも承認済みです。代表的な発毛剤には大正製薬の「リアップ」や、ロートの「リグロ」があります。
ミノキシジルは頭皮に直接塗布する外用薬が一般的ですが内服薬もあり、AGAの改善に効果があります。ただし、内服薬は日本国内では未承認であるため、市販での購入はできません。
2. 成分による作用の違いとは
フィンペシアとミノキシジルは成分も異なるため、当然AGAの改善において作用が違います。ここからは、それぞれの作用について解説していきます。
フィンペシア(フィナステリド)の作用とは
フィンペシアはフィナステリドという成分を含んでおり、AGAの原因であるDHTの産生を抑制しAGAの進行を遅らせることが可能です。これはプロペシアと同じで、AGAに悩んでいる人には心強い作用です。
ミノキシジル外用薬の作用とは
一方、ミノキシジル外用薬は血行促進、毛母細胞の活性化により発毛効果が見込める成分です。毛包に直接作用することで細胞の増殖やタンパク質の合成を促進し、髪の毛を生やします。
フィンペシアに含まれるフィナステリドとはアプローチの仕方が違い、フィナステリドは抜け毛を防止してAGAを改善するもので、ミノキシジルは髪を生やしてAGAを防止するものになります。
3. AGA・薄毛治療薬としての効果の違いとは
フィンペシアに含まれるフィナステリドとミノキシジルはAGA・薄毛治療薬として活用されている成分です。ここからは、それぞれのAGA・薄毛治療に与える効果の違いを解説していきます。
フィンペシア(フィナステリド)の効果とは
フィンペシアに含まれているフィナステリドは、服用しておよそ3ヶ月程度で抜け毛が減り、生え際に産毛が目立ってくるといわれています。その後徐々に髪が太くなって薄毛が目立たなくなり、使用開始して半年後には効果を実感できる人が多いようです。
ミノキシジル外用薬の効果とは
ミノキシジル外用薬は、使用開始してから8週間から12週間後から、少しづつですが改善がみられています。そして、およそ半年が経過した頃には9割以上の人が改善がみられるというデータがあります。
フィナステリドと比較すると、効果が実感できるまでの期間はほぼ同じですが、軽度の毛髪成長がみられるのはミノキシジルの方が早い印象です。もちろん個人差はありますので一例として捉えてください。
4. どちらの薬にも副作用はある?
AGA治療薬として活用されているフィンペシアのフィナステリドとミノキシジルですが、副作用はあるのでしょうか。ここからは、それぞれにみられる副作用を紹介して違いを解説していきます。
フィンペシア(フィナステリド)の副作用の一例を紹介
フィンペシア(フィナステリド)を服用した際の副作用には、下記の症状が報告されています。
- 制欲減退
- 勃起機能不全
- 睾丸痛
- 精液の質低下
- 発疹
- 蕁麻疹
あくまで一例ではありますが、臨床試験によりわかっている副作用です。また、肝機能障害という重大な副作用の発生もあり得ますので、異常がみられる場合は病院に行き医師に相談してみましょう。
ミノキシジル外用薬の副作用の一例を紹介
ミノキシジル外用薬の副作用は下記が報告されています。
- 頭皮のかゆみ
- 頭皮のかぶれ
ミノキシジル外用薬は、使用した人のおよそ8%に副作用が起こるといわれています。また、ミノキシジル内服薬は外用薬と違い、体内に取り込むことにより成分が全身に巡ることから、頭痛や動悸などの症状がみられる可能性があるようです。
フィンペシアとミノキシジルの併用はできる?
フィンペシアとミノキシジルは内服薬と外用薬という違い、そして配合されている成分の違いがあります。では、ここからはそれぞれの薬は併用できるかについて解説していきます。
併用はできる! 併用するメリットとは?
フィンペシアとミノキシジルは併用可能です。上述した通り、フィンペシアはAGA改善に有効なフィナステリドにより、DHTの産生を抑制するため抜け毛を防止します。そして、ミノキシジルは血行を促進して毛母細胞を活性化させ発毛効果が得られます。
つまり、両者を併用することで髪が抜けるのを防止しつつ発毛効果が得られることから、AGAの改善において非常に効果的です。併用が気になる人は、事前に専門のクリニックに行って相談してみましょう。
フィンペシアとミノキシジルは作用や効果が違う|併用はクリニックに相談を
フィンペシアとミノキシジルの違いは、AGA治療に取り入れることによる働きが挙げられます。フィンペシアに含まれるフィナステリドは髪が抜けることを防止し、一方でミノキシジルは、血行を促進することで発毛効果を得られるものです。
また、それぞれで副作用も異なり、フィンペシアは性欲減退や勃起機能不全などがあります。ミノキシジルは頭皮のかぶれやかゆみが主な副作用の症状です。内服薬と外用薬になるため、副作用による症状も異なります。
それぞれ違った働きがあるため、併用することでより効果的なAGA治療が見込めます。どちらか一方を使っているが効果がみられないと感じた場合は、併用する前に一度専門のクリニックに相談をしてみましょう。
参考:
発毛薬の服用が原因と考えられる健康被害の発生について(日本皮膚科学会)
男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン(日本皮膚科学会)